ESG/CSR
人的資本に対する考え方と取り組み
Employees
メイコーでは「エレクトロニクスの進化に挑戦し発展して社会に貢献する」というパーパスの実現に向け、人的資本の強化拡充を重要な経営課題と位置づけています。「企業の最大の財産は人」との考えのもと、中期経営計画の達成のために必要な人財の獲得と育成を強化していくとともに、すべての社員にとって安全・安心・清潔で、多様性を尊重する、そして社員が成長できる「働きがいのある職場づくり」を推進します。従業員一人ひとりが持つ多様なスキル、知識、経験を最大限に活かし、組織全体の競争力を高めることで持続可能な経営基盤を構築し、社会に対して新たな価値を提供していきます。

多様性の尊重
メイコーでは、グローバルに事業展開する企業の責任として、人権を尊重し、人種・信条・宗教・国籍・年齢・性別・障がい等で差別することなく、多様な人財が能力を発揮できるよう、公正な採用・評価・処遇に努めています。その実現のために人権方針を定め、国際的な人権規範を尊重し、ステークホルダーを含めた人権の保護に取り組みます。その他、社員教育や苦情処理窓口の運用を通じて、各種のハラスメントの防止に取り組み、多様な人財が活躍できる職場環境を作っていきます。
1.高年齢者の活性化推進
定年退職後の嘱託再雇用者の活性化を図るため、2019年度に「仕事基準」再雇用制度を導入しました。嘱託再雇用者を重要な労働力として位置づけ、モチベーションを維持・向上させる制度です。年齢だけによる賃金格差を是正し、定年後の職務内容に応じた処遇水準を設定することにより、メリハリの効いた制度としています。
2.治療と仕事の両立支援
疾病を抱え治療をしながら勤務する従業員を支援するため、当社では私傷病休暇制度の充実を図るとともに、時差勤務制度やフレックスタイム制度などフレキシブルな勤務制度を整備しております。
3.グルーバル人材の配置と人材交流
メイコーでは外国籍社員の採用に力を入れております。新卒採用、キャリア採用ともに国籍にかかわらず門戸を広げ、当社が求める人財を採用しております。2025年3月時点において、日本採用の外国籍社員は、中国籍、ベトナム籍を中心に35名在籍しております。また、日本への企業内転勤制度・技能実習制度を活用した、外国人財の育成と活用を行っております。企業内転勤制度で13名の中国・ベトナム工場社員が日本で勤務しており、監理団体型技能実習生5 名(ベトナム人)が福島工場、114 名(ベトナム人)が河北工場で実習を行っております。各種制度を利用した海外現地法人社員の日本研修者は累計で300 名を超えており、その経験者は現在の広州工場の総経理(工場責任者)を筆頭に、海外工場の幹部社員としてその運営に携わっております。一方、海外現地法人で活躍する日本人駐在員は、経営の現地化に伴い、年々減少傾向とはなりましたが、49名が海外で活躍しております。
4.障がい者雇用への取り組み
メイコーは障がい者の採用を積極的に取り組み、現在、17名(雇用カウント数21名)の障がい者が活躍しております。法定雇用率の面では、2025年3月時点では未達なものの、その後の採用により達しております。また、障がい者雇用においては入社後の定着から長期就労の実現が最重要と考え、本人との定期・非定期によるフォロー面談の実施、所属部門従業員への事前教育等を実施することにより、働きやすい職場環境の整備に力を入れております。メイコーでは今後も社会的責任を果たすべく、障がい者の活躍できる場を創出し、社会と障がい者の架け橋を目指してまいります。

女性活躍推進
メイコーの全社員人数に占める女性社員の雇用比率は、女性人財の積極採用を行ってきた結果、2020年度に初めて20%を超え、2023年度には24%を超える比率まで上昇しました。女性従業員数についても年々増加傾向にあり、2022年度においては200名となり、今後も女性の積極的採用を推進するほか、女性社員の管理監督職増加にも力を入れてまいります。特に、2030年度までには女性管理職比率を倍増させることを目標とし、以下の施策を推進してまいります。
1.育児休業・時短勤務制度
女性従業員に対しては産休・育休からの復帰にあわせた短時間勤務制度の推進なども積極的におこなっており、2019年度中の育児休業取得者は6名、職場復帰者は1名、短時間勤務制度利用者は15名となりました(グループ会社を除く)。
2.女性が働きやすい体制の推進
社員の福利厚生の拡充とESG経営の一環として、2019年度に推進してきた企業内保育所が完成し、2020年4月に「メイコー保育所のびっこ」として開設しました。




3.メイコー保育所「のびっこ」
2020年4月より従業員の福利厚生の拡充と女性の活躍の場の推進を目的に企業内保育所を開所しました。本社に隣接した施設で、従業員もお子さんのそばで安心して働くことが可能です。「家庭的な雰囲気の中で豊かに伸びる力を大切に育てる」ことを保育理念とし、就業パターンに柔軟に対応しながら、子供一人ひとりと向き合った保育を目標としております。
人財育成とキャリアパス
1.人財育成
メイコーでは、社員一人ひとりの持つ潜在能力を引き出すとともに、経営理念の実現を担う人財を中長期的に確保するために階層別研修を行っています。それぞれの階層に合わせたスキルと知識の向上をサポートするとともに、自律的キャリアの形成を目的として全社員を対象に自己啓発支援を行っています。さらに、階層別研修の中では「メイコーリーダー/管理職講座」と称し、取締役が講師となって当社の求める人財像を社員に直接伝えております。また、社員の自発的な能力開発の支援として、技能検定資格認定制度による奨励金の支給、語学学習や eラーニングの学習費用補助等を行っています。グループ人財育成として、海外工場の社員育成のため、日本への企業内転勤制度及び技能実習制度を利用して実施しております。
職級 | 職位 | 階層別教育研修 | 選抜型教育 | 選択型教育 |
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6~ | 管理職 | マネジメント研修(部長向け・課長向け) |
・幹部研修 ・英語研修 |
自己啓発支援 ・通信教育 ・英語教育 |
5 | 係長 | 管理職任用前試驗 | ||
4 | 主任 | 新任監督者研修 | ||
3 | 一般 |
・中堅社員研修 ・フォローアップ研修 ・新入社員研修 |
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2 | ||||
1 | ||||
内定者 | 内定者研修 | - | - |
2.キャリアパス
メイコーの技術職においては、入社後の若手社員に対し、知識・スキル・ノウハウの習得を目的として、よりモノづくりに近い現場を経験していただきます。知識や経験をしっかり身に付けた段階で、自律的な仕事への取り組みやリーダーシップを発揮していくことを期待し、その方の「やりたいこと」が何かヒアリングしながらキャリアを検討していきます。専門を究めたいという方は「スペシャリスト」人財として、技術の中でもさまざまな部署を経験し幅広く仕事に携わりたいという方は「ゼネラリスト」人財としての道を進みます。部門内での評価面談や人事面談がありますので、都度「やりたいこと」に変化がないかもヒアリングしていきます。最終的には、スペシャリスト人財が「プロフェッショナル」人財へと、ゼネラリスト人財が「マネジメント」人財へと成長し、管理専門相当職へのステップアップを目指します。なお、本人の志向と適性を踏まえて、それぞれのキャリア間でキャリアチェンジすることもあります。

3.仕事と家庭の両立支援
仕事と家庭の両立を大切にし、従業員の幸福と生産性を向上させるためにさまざまな取り組みを行っています。まず、フレックス勤務や短時間勤務により柔軟な勤務時間を提供し、従業員が自分のスケジュールに合わせて働けるようにしています。これにより、子育てや介護といった家庭の負担を軽減し、ストレスを減らすことができます。さらに、育児休暇や介護休暇を取得する際に従業員に必要なサポートを提供し、円滑な復帰をサポートしています。また、研修やキャリアサポートプログラムを通じて、スキルの向上とキャリアの発展を促進しています。メイコーは社員の健康と幸福を最優先に考え、家庭との調和を図りながら仕事に集中できる環境を提供しています。
4.働きがいの向上施策
メイコーでは2021年度より株式給付制度を導入しております。高い業績を上げた社員に対して株式を給付することで、従業員の企業への帰属意識を高め、積極的な企業価値向上への取り組みに報いていきます。
安全衛生に関する取り組み
労働安全衛生方針に基づき、すべての従業員が心身ともに安全で安心して働き、個々人の能力を十分に発揮できる職場づくりを目指しています。
労働安全衛生法に定められた拠点単位の労働安全衛生委員会に加え、その上部組織としてグループ労働安全衛生委員会を組織化し、海外拠点も含めたグループ全体を統括管理する体制を整えております。
グループ労働安全衛生委員会では、各拠点の労働災害の詳細及び発生原因等の共有、各拠点での防止活動の取り組み共有等を行い、グループ全体での労働災害発生防止に取り組んでおります。
武漢工場とベトナム工場ではI S O 4 5 0 0 1を取得し、労働安全衛生への取り組みに注力しています。
すべての従業員が心身ともに安全で安心して働き、
個々人の能力を十分に発揮できる職場づくりを目指します。
- 労働安全衛生の関連法規制及び社内規程を遵守し、すべての職場における不安全状態の撲滅を図ります。
- 職場におけるリスクアセスメントを実施し、目標を定め労働環境の改善及び労働災害リスクの低減に継続的に取り組みます。
- 従業員一人ひとりに労働安全衛生活動を周知させ、安全衛生知識の向上を図ります。
- 従業員の心と体の健康の保持増進に対し積極的な支援を図ります。
1.労働災害未然防止に向けて
当社では、労働安全衛生リスク管理の強化を目的として、労働安全衛生リスクアセスメントの再構築に取り組んでいます。2019年から2024年に発生した労働災害について分析した結果、より適切なリスクアセスメントを行っていれば、これらの約75%を未然に防ぐことができた可能性があったことが判明しています。
具体的な取り組みとしては、各職場のリーダーがリスクアセスメントトレーナー研修を受講し、各々の担当職場でより効果的なリスクアセスメントを継続的に実施する体制の構築を進めています。
また、製造現場の作業一つひとつを安全管理部門も含めて多角的に確認することで、従来より更に掘り下げたリスクの抽出を行っています。そして、抽出したリスクに対して適切なリスク低減措置を行っていくことで現場のリスクを低減し、安全な職場づくりに繋げる取り組みを行っております。
なお、リスクアセスメントの他にも、防災に関連した内部監査や月次の安全パトロールを通じて不安全状態の早期発見と速やかな是正を継続的に行う仕組みを設け、安全管理のブラッシュアップを進めております。
当社では従業員が安心して働ける職場環境の実現に向けて、今後も継続的にリスクアセスメント、その他安全衛生管理の向上に繋がる施策を展開し、労働災害ゼロを目指します。
2.衛生管理・健康増進への取り組み
健康経営の宣言を行い、全社をあげて従業員の健康づくりに積極的に取り組んでいます。
従業員の健康維持・増進のため、法定健康診断実施後の特定保健指導を積極的に推し進めており、2 0 2 3年度の特定保健指導実施率は9 5 % 以上と国が第三期特定健康診査等、基本方針で定める目標値の4 5%以上を大きく超過しております。
また、従業員のメンタルケアの一環としてeラーニングによる衛生教育を実施し、従業員または職場の要望に応じて臨床心理士とのカウンセリング面談も実施しております。このほかにも、ウォーキング衛生管理・健康増進への取り組み健康経営の宣言を行い、全社をあげて従業員の健康づくりに積極的に取り組んでいます。 従業員の健康維持・増進のため、法定健康診断実施後の特定保健指導を積極的に推し進めており、2 0 2 3年度の特定保健指導実施率は9 5 % 以上と国が第三期特定健康診査等、基本方針で定める目標値の4 5%以上を大きく超過しております。
また、従業員のメンタルケアの一環としてeラーニングによる衛生教育を実施し、従業員または職場の要望に応じて臨床心理士とのカウンセリング面談も実施しております。このほかにも、ウォーキングキャンペーンや参加者自らが目標を設定する健康チャレンジ等、従業員が気軽に参加できる活動も実施し、従業員の健康増進の意識向上を図っております。これらの活動が評価され、2 0 2 4 年3月には経済産業省が推進する「健康経営優良法人2 0 2 4 」の認定を受けました。